ベッカムにあこがれて走り出した少年
小さいころから遊びでボールを蹴っていたけれど、サッカーを本気で始めたのは、2002年の日韓ワールドカップのとき。イングランド代表のベッカム選手にあこがれて、「自分もああいう選手になりたい」と思ったのがきっかけでした。
ベッカム選手と言えば右足のキックがすごかったですよね、ぼくの今のプレースタイルにも活きるくらい影響を受けています。

決意をくれたデフリンピック


2017年に、デフリンピックで世界の選手たちと戦うチャンスがありました。
そのとき、楽しさと同時に「日本の中だけでプレーするのはつまらないな」と感じたんです。
より高い目標を達成するために、もっと広い世界で戦いたい――その想いがどんどん強くなりました。
そこで、デフの選手では初めてとなる、海外への挑戦を決めたんです。
一番先に海へとびこむ勇気を持つこと、「ファーストペンギン」としてチャレンジすることを決意しました。
ドイツで挑戦!ケガを超えて成長した日々
2019年、ぼくはドイツに行って、サッカー選手としてのチャレンジを始めました。
最初は7部リーグからのスタートでしたが、ケガをしてしまい、しばらく試合に出られない時期もありました。
そのあいだに、体づくりや筋トレ、体の使い方をしっかり見直しました。
その努力が実を結び、あとには6部リーグで22ゴール・10アシストという結果を出すことができ、5部リーグにステップアップするチャンスをつかみました。

ワールドカップで見せたチームの力

2023年、デフサッカーのワールドカップで、初の準優勝を成し遂げました。
ぼくは海外での経験をいかして、チームの仲間たちに対戦する国の情報や、どのような戦い方が効果的なのか伝えていました。
その中で、チーム全員で力を合わせられたことが、このすばらしい結果につながったと思っています。
東京2025デフリンピックに懸ける想い
東京2025デフリンピックは、ぼくにとって特別な舞台になると思っています。
これまでの海外での挑戦から、今の自分の力を見せたいです。
どんな相手と戦うときも、自分たちのサッカーを大切にしてやりぬくチームにしたいと思っています。
ワールドカップでの準優勝があったからこそ、「デフリンピックで金メダルを獲りたい!」というはっきりした目標ができました。
この大会は、デフサッカーの未来を懸けた大切な大会になると思っています。

一緒に挑戦しよう!

きこえないことは、決して弱さじゃありません。それも一人ひとりの個性のひとつです。
ぼく自身、高校のころは試合に出られない悔しさを味わいました。
でも、その気持ちをのりこえてきたからこそ、今の自分があります。
東京2025デフリンピックでは、日本代表として、見る人の心に残るプレーを見せたいと思っています。
ぼくが頑張る姿を見て、「自分も挑戦してみたい!」と思ってくれる人がいたら、何よりもうれしいです!