ヒーローにあこがれて、柔道を始めた
ぼくが柔道を始めたのは5さいのとき。いちばん上の兄がやっていて、兄の柔道着がとってもかっこよく見えたんです。
「これを着たらヒーローになれる!」と思って、兄の柔道着をうばっちゃいました(笑)。
そのころは、戦隊ヒーローや仮面ライダーが大好きで。だから、柔道着を着れば、自分も強くなれると思ったんです。

柔道がくれた「きこえる友だち」

小学校1年生のとき、初めて大きな大会で優勝しました。
トロフィーを学校に持っていったら、「すごいね!」とまわりのみんなが話しかけてくれたんです。
そこで初めて、耳のきこえる友だちができました。
柔道をがんばったことがきっかけで友だちができたのは、本当にうれしかったですね。
あきらめない心で「ねばる柔道」
ぼくの柔道は、「ねばりの柔道」です。すぐに一本をねらうのではなく、ねばって、ねばって、最後に勝つ。
いろいろな技を出して、最後まであきらめない。それがぼくのスタイルです。
練習は、地元の静岡県三島市や、東京の大学でしています。若い学生たちと一緒に練習をしていて、体力も気持ちもどんどん強くなっています。

もう一度、夢に向かって

高校を出てから、柔道を一度やめたことがありました。
でも、2015年にアジア大会に出させてもらって、4、5年ぶりに試合をしたら――なんと優勝!
そのとき、「やっぱり柔道って楽しい」「まだまだ強くなりたい」と思って、もう一度がんばることにしたんです。
世界でつかんだ金メダルと新しい夢
2021年の世界大会では銀メダルでしたが、2024年の大会でついに金メダルを獲れました。長い間の練習が報われた瞬間でした。
ぼくが勝つことで、「きこえなくても、人生は明るい」と伝えたい。同じようにがんばっているきこえない子どもたちに「夢をあきらめないで」と伝えたいです。

金メダル宣言!

柔道は、だれでも楽しめるスポーツです。組んだら、みんなが平等。
体が大きくても小さくても、きこえてもきこえなくても関係ありません。
ぼくはこの柔道の楽しさやすばらしさを、皆さんに伝えていきたいと思っています。
そのために、東京2025デフリンピックで金メダルを獲ります!
会場でぼくを見かけたら、ぜひ手を振ってくださいね!