HERO for Kids:ヒーローずかん

2025.10.23

柔道じゅうどうの楽しさを伝えられるように

佐藤さとう 正樹まさき選手|デフ柔道じゅうどう

ヒーローにあこがれて、柔道じゅうどうを始めた

ぼくが柔道じゅうどうを始めたのは5さいのとき。いちばん上の兄がやっていて、兄の柔道着じゅうどうぎがとってもかっこよく見えたんです。
「これを着たらヒーローになれる!」と思って、兄の柔道着じゅうどうぎをうばっちゃいました(笑)。

そのころは、戦隊せんたいヒーローや仮面かめんライダーが大好きで。だから、柔道着じゅうどうぎを着れば、自分も強くなれると思ったんです。

柔道じゅうどうがくれた「きこえる友だち」

小学校1年生のとき、初めて大きな大会で優勝ゆうしょうしました。
トロフィーを学校にっていったら、「すごいね!」とまわりのみんなが話しかけてくれたんです。

そこで初めて、耳のきこえる友だちができました。

柔道じゅうどうをがんばったことがきっかけで友だちができたのは、本当にうれしかったですね。

あきらめない心で「ねばる柔道じゅうどう

ぼくの柔道じゅうどうは、「ねばりの柔道じゅうどう」です。すぐに一本をねらうのではなく、ねばって、ねばって、最後に勝つ。
いろいろなわざを出して、最後まであきらめない。それがぼくのスタイルです。

練習は、地元の静岡県しずおかけん三島市みしましや、東京の大学でしています。わかい学生たちと一緒に練習をしていて、体力も気持ちもどんどん強くなっています。

もう一度、ゆめに向かって

高校を出てから、柔道じゅうどうを一度やめたことがありました。
でも、2015年にアジア大会に出させてもらって、4、5年ぶりに試合をしたら――なんと優勝ゆうしょう
そのとき、「やっぱり柔道じゅうどうって楽しい」「まだまだ強くなりたい」と思って、もう一度がんばることにしたんです。

世界でつかんだ金メダルと新しいゆめ

2021年の世界大会では銀メダルでしたが、2024年の大会でついに金メダルを獲れました。長い間の練習がむくわれた瞬間しゅんかんでした。

ぼくが勝つことで、「きこえなくても、人生は明るい」と伝えたい。同じようにがんばっているきこえない子どもたちに「ゆめをあきらめないで」と伝えたいです。

金メダル宣言!

柔道じゅうどうは、だれでも楽しめるスポーツです。組んだら、みんなが平等。
体が大きくても小さくても、きこえてもきこえなくても関係ありません。
ぼくはこの柔道じゅうどうの楽しさやすばらしさを、皆さんに伝えていきたいと思っています。

そのために、東京2025デフリンピックで金メダルを獲ります!
会場でぼくを見かけたら、ぜひ手をってくださいね!