
2025.08.07
2025.08.27
東京2025デフリンピック開幕まであと100日となる8月7日(木)、記念イベント『TOKYO FORWARD 2025「東京2025デフリンピック 100 Days To Go!」』を開催しました!
注目のデフアスリートや応援アンバサダー、みやぞんさん、富栄ドラムさん、井上咲楽さんなど豪華ゲストによるステージのほか、デフ卓球や“手話アート”体験など多彩なプログラムを実施。“みる”から始まる新しい体験をお届けしたイベントの様子を振り返ります。
第1部では、目前に迫ったデフリンピックをみんなで祝福! 先日7月31日に日本選手団が正式に発表され、史上初めて全21競技に、過去最高273名の選手が出場することに。その中でも大会での活躍が特に期待される茨隆太郎選手(デフ水泳)・亀澤理穂選手(デフ卓球)・中田美緒選手(デフバレーボール)・山田真樹選手(デフ陸上)が登壇しました。そして、応援アンバサダーの朝原宣治さんと川俣郁美さんも駆けつけ、華やかなセレモニーがスタート!
2023年にはデフスポーツマンオブザイヤーに選ばれた、
デフ水泳・茨隆太郎選手
この日はスポーツ庁・室伏広治長官も激励に。アスリートの大先輩として熱い想いを伝えるとともに、「デフリンピックでは、選手たちがどのような方法で競技に必要な情報を収集し、コミュニケーションを取っているかにも注目してもらいたい。音のない世界でも様々な手段を使って高度なコミュニケーションが行われています。その姿を通して多様なコミュニケーションのあり方に触れることは、相手を知り理解する力を養う貴重な機会になると思います」と、大会を通じた共生社会実現への期待の声も届けてくれました。
そしてこの日は入賞メダルの実物がお披露目! その重厚感のある輝きに、「見た瞬間、鳥肌がすごかった」と中田選手。
いったい誰の胸に輝くのか・・・!
サムスン2017大会以来2大会ぶりの
金メダルを目指す中田美緒選手
山田選手からは目で見る新しい応援『サインエール』のご紹介。ご自身も制作に携わったサインエールを、観客の皆さんにもレクチャーしてくれました。
第1部の最後には全員でフォトセッション。登壇者の皆さんへ盛大な手話の拍手が送られました。
続く第2部ではサインエールに関する新発表が!
まずは開発メンバーの西脇将伍さん率いる応援団が颯爽と登場。彼らが着ているのは、本邦初公開のユニフォーム! 手の動きが選手に伝わりやすいよう袖の部分にブルーがあしらわれています。このブルーは世界ろう連盟のロゴ、そして手話言語の国際デー(9/23)のロゴの色であり、世界のろう者にとって象徴的な色です。
そして大事な発表がもう一つ。サインエールを一緒に盛り上げてくれる『応援サポーター』に、富栄ドラムさん、HIMAWARIちゃんねるのまーちゃんとおーちゃん、さらに井上咲楽さんの就任が決定しました!
元力士で俳優の富栄ドラムさん
「HIMAWARIちゃんねる」のまーちゃん(右)とおーちゃん(左)
ろう者の友達がたくさんいるドラムさんからは、就任への喜びとともに「全力で盛り上げます!」と熱いコメント。まーちゃんとおーちゃんも早速サインエールを使って、応援の想いを届けてくれました。
この日はもうお一方、特別ゲストが登場! お茶の間をいつも明るく照らしてくれる、みやぞんさんです!
この日は特別に、みやぞんさんにもユニフォームもご用意! 応援団、応援サポーターの皆さんとともに、3つの基本要素「行け!」「大丈夫 勝つ!」「日本 メダルを つかみ取れ!」にチャレンジしました。
「ぼくもすぐに覚えられました! これで本番もばっちり応援したいと思います!」とみやぞんさんからも素敵な意気込み。サインエールを一人でも多くの方に覚えてもらい、デフアスリートへたくさんの応援が届けられますように!
第3部では、デフリンピックに向けた東京都の取組の発表と、デフ陸上・町田瑠音選手の「TOKYOジュニアアンバサダー」任命式を行いました。葛飾ろう学校に通う現役高校生の町田選手。4×400mリレーの女子・混合の代表に選出された期待のデフアスリートを紹介し、セレモニーは幕を閉じました。
二子玉川ライズで開催された100日前記念イベント。ステージ以外にもいろいろなコンテンツで新しい“みる”体験をお届けしました。
スタジオ & ホールにあるのは、デフスポーツに挑戦したり、様々なコミュニケーションの方法を体験できるエリア【みるチャレンジ】。一つ目は“手話アート”の第一人者・門秀彦さんと一緒に、みんなで自由に絵を描いて作品づくりができるコーナー! どんな作品が生まれたのでしょうか・・・?
デフ卓球を体験できるコーナーも! 耳栓とイヤーマフできこえにくい状態にしてチャレンジ。ステージ終わりの亀澤選手や、同じく日本代表の川口功人選手も遊びに来てくれて、一緒にデフ卓球を楽しみました。
みるチャレンジには、サインエールを応援団から直接教えてもらえるコーナーも。来たる100日後のデフリンピックに向けて、たくさんの方々がサインエールを覚えてくれました!
スタジオ & ホールではユニバーサルコミュニケーション技術体験も開催。AI(人工知能)を活用して手話言語をテキストに翻訳する【Sure Talk】や、きこえない・きこえにくいを疑似体験【デフVR】、次世代補聴デバイス【補聴グラス】など、デジタル技術でスムーズなコミュニケーションをサポートしてくれるさまざまな機器を紹介しました。
二子玉川駅から出てすぐにあるガレリアでは、デフリンピックやきこえない世界について知り、様々な交流を楽しめるエリア【みるケーション】を展開。
競技開催地を巡るカウントダウンツアーのモニュメントがお出迎え! 想いを込めた折り鶴を、たくさんの方が入れてくれました。
東京都聴覚障害者連盟がお届けする日本手話言語を楽しく学べるワークショップや、手話言語で店員さんとおしゃべりできるデフデフマーケットが出店。これまで関心のなかった皆さんも、楽しく手話言語に触れられる空間でした。
こども縁日やデフスポーツ紙芝居、そしておなじみ(?)デフ陸上のスタートランプ体験も! 素敵なグッズがもらえるスタンプラリーもあり、みんな夢中になって回っていました。
ガレリアには大会をともに盛り上げてくれる協賛企業もブースを出展。
デフアスリートへ応援メッセージを届けられるコーナーもあり、デフリンピックへの期待と興奮が高まった様子でした。
みるステージに戻ると、ゲストのみやぞんさんとドラムさんが亀澤選手に『サイレントラリー』で挑戦することに!
東京で悲願の金メダルを目指します
ドラムさん出演ドラマ「VIVANT」の俳優さんのモノマネ
耳栓とイヤーマフをしてきこえにくい状態になると、途端に不安な様子のお二人・・・。それでも果敢に亀澤選手に挑みます!
「きこえないと球がどれくらいの強さで飛んでくるのかが全然わからない!」と驚きを隠せないみやぞんさん。
ラリーを続けようにもなかなかうまく返すことができない様子。奇跡的に(?)ポイントを取って思わず・・・。
ポイントを取られスイッチの入った亀澤選手が鬼のスマッシュを炸裂!
最後はきこえる状態で挑んだお二人も、その威力にあ然&苦笑い。デフスポーツの難しさ、そして亀澤選手の凄さをまざまざと体感しました。
メダリストへの挑戦2回戦目は、『ジェスチャーゲーム』!
デフアスリートチームには、幼い頃からパントマイムに取り組み、演劇の出演経験もある山田選手も登場。対するゲストチームには応援アンバサダー・朝原さんが助っ人に。日頃から豊かな表情や口の動き、アイコンタクトも駆使して意思を伝え合う、デフアスリートの類まれなコミュニケーション力に挑戦します!
最初の対決は亀澤選手vsみやぞんさん。お題は・・・ある鳥類。互いに一歩も譲らぬパフォーマンスを見せます。
両チーム、見事正解!
その後も手を変え品を変え、渾身のジェスチャーを繰り出すお二人。
難問が続き、なかなか勝負がつきません。ここで山田選手&ドラムさんにメンバーチェンジ!
これまた別の角度で際立った戦いに突入。モニターに表示された文字保障からもその片鱗が伺えます・・・。
途中、「なんか書かなきゃダメ」と芸人の先輩(?)からリアルな指導も。
どちらに軍配が上がったのか、もはや誰もわからない戦い。
気付けばレジェンド朝原さんもこんなにノリノリに・・・! 思わぬ名(迷?)勝負に会場から大きな笑いと手話の拍手が送られました!
最後は亀澤選手と山田選手から、街でよく見るポスターのモノマネをお届け。デフアスリートのエンターテインメント力を見せつけられた戦いでした。
サインエール応援アンバサダーに就任が決定した井上咲楽さんも会場に到着!
応援アンバサダー・川俣さんと中田選手の“おもてなし”講座で、世界のデフアスリートをお迎えするためのお勉強をしました。
「きこえる・きこえないに関わらず、子どもも大人もみんなで楽しくダンス」がモットーの舞はんど舞らいふによるステージ。みんなで一緒に「しゅわしゅわ☆デフリンピック!」もダンス♪
“言葉”と“視覚”の融合で、ろう者ときこえる人の心をつなぐ立川志ら門さんの手話落語。日本の伝統芸能文化“落語”の所作である「扇子体験」もお届け。
ろう者の文化を笑いで届ける『デフW』によるスペシャルコント! “手話事故”などのろう者あるあるをユーモアを交えて披露。井上さん&山田選手も思わず笑っちゃっていました。
会場が“みる”を通したいろいろな体験に触れる中、宴もたけなわではございますが、いよいよグランドフィナーレです・・・。
ここで協賛企業ブースを盛り上げてくれたデフアスリートたちも合流。トヨタ自動車社員の加藤亮太選手(デフバスケットボール)・川口功人選手(デフ卓球)・安田晃斗選手(デフバレーボール)、そしてソフトバンク社員の田中航太選手(デフ自転車|ロード)もともにフィナーレを迎えます。
第1部を飾ったのは3人のアーティストによる即興パフォーマンス。俳優・演出家の庄﨑隆司さんのマイムに合わせて、田嶋真佐雄さんがコントラバスを演奏。そして門秀彦さんが“手話アート”のライブペインティングをする・・・というものです。
いったいどんなステージが繰り広げられるのか・・・。
言葉にできないパフォーマンスに、まさしく息をのむ観客。そして、デフアスリートたち。
最後は庄﨑さんのデフリンピックの手話で、唯一無二のパフォーマンスが終焉。
緊張と緩和。会場は一面の手話の拍手で埋め尽くされました。
ステージはその後、ドラムさん・まーちゃん&おーちゃん・井上さんがそれぞれの応援方法を体いっぱいで表現!
なぜかやったことのないけん玉で応援を表現しようと試みる井上さん。庄﨑さんのハンドパワーもありのチームプレーで、見事熱い想いを届けてくれました。
最後はまさに全員集合! あと100日に迫ったデフリンピック。その夢の舞台に人生を懸けて臨むデフアスリートへ、会場が一体となりサインエールを送りました。
「日本 メダル つかみ取れ!」 想いの込められたサインエールを受け取った山田選手から、最後に皆さんへ・・・。
「絶対に金メダル獲ります!!」
11月15日、東京2025デフリンピック開幕。
あなたの応援を、ぜひ会場で届けてください!