HERO for Kids:ヒーローずかん

2025.10.23

大海に飛び込む勇敢な「ファーストペンギン」へ

はやし 滉大こうだい選手|デフサッカー

ベッカムにあこがれて走り出した少年

小さいころから遊びでボールをっていたけれど、サッカーを本気で始めたのは、2002年の日韓にっかんワールドカップのとき。イングランド代表のベッカム選手にあこがれて、「自分もああいう選手になりたい」と思ったのがきっかけでした。

ベッカム選手と言えば右足のキックがすごかったですよね、ぼくの今のプレースタイルにも活きるくらい影響を受けています。

日本代表のユニフォームを着て試合に出ている林選手の写真

決意けついをくれたデフリンピック

インタビューに応える林選手の写真

試合中、左腕をあげ他の選手に駆け寄っていく林選手の写真

2017年に、デフリンピックで世界の選手たちと戦うチャンスがありました。
そのとき、楽しさと同時に「日本の中だけでプレーするのはつまらないな」と感じたんです。
より高い目標を達成するために、もっと広い世界で戦いたい――その想いがどんどん強くなりました。

そこで、デフの選手では初めてとなる、海外への挑戦ちょうせんを決めたんです。
一番先に海へとびこむ勇気ゆうきを持つこと、「ファーストペンギン」としてチャレンジすることを決意しました。

ドイツで挑戦ちょうせん!ケガをえて成長した日々

2019年、ぼくはドイツに行って、サッカー選手としてのチャレンジを始めました。
最初は7部リーグからのスタートでしたが、ケガをしてしまい、しばらく試合に出られない時期もありました。

そのあいだに、体づくりやきんトレ、体の使い方をしっかり見直しました。
その努力が実を結び、あとには6部リーグで22ゴール・10アシストという結果を出すことができ、5部リーグにステップアップするチャンスをつかみました。

芝生の上にあぐらをかいて座り、インタビューに応える林選手の写真

ワールドカップで見せたチームの力

日本代表戦で相手選手とヘディングで竸っている林選手の写真

2023年、デフサッカーのワールドカップで、初の準優勝じゅんゆうしょうを成し遂げました。

ぼくは海外での経験けいけんをいかして、チームの仲間たちに対戦する国の情報じょうほうや、どのような戦い方が効果的なのか伝えていました。
その中で、チーム全員で力を合わせられたことが、このすばらしい結果につながったと思っています。

東京2025デフリンピックに懸けるおも

東京2025デフリンピックは、ぼくにとって特別な舞台ぶたいになると思っています。
これまでの海外での挑戦ちょうせんから、今の自分の力を見せたいです。

どんな相手と戦うときも、自分たちのサッカーを大切にしてやりぬくチームにしたいと思っています。
ワールドカップでの準優勝じゅんゆうしょうがあったからこそ、「デフリンピックで金メダルを獲りたい!」というはっきりした目標ができました。

この大会は、デフサッカーの未来を懸けた大切な大会になると思っています。

芝生の上でボールに足をかけ、遠くを見つめている林選手の写真

一緒に挑戦しよう!

右手にボールを抱え、こちらを向いて笑っている林選手の写真

きこえないことは、けっして弱さじゃありません。それも一人ひとりの個性こせいのひとつです。

ぼく自身、高校のころは試合に出られないくやしさをあじわいました。
でも、その気持ちをのりこえてきたからこそ、今の自分があります。

東京2025デフリンピックでは、日本代表にほんだいひょうとして、見る人の心にのこるプレーを見せたいと思っています。

ぼくが頑張る姿を見て、「自分も挑戦ちょうせんしてみたい!」と思ってくれる人がいたら、何よりもうれしいです!