応援アンバサダー!
こんにちは、川俣郁美です。わたしは日本財団という、世界中の困っている人を助けるために活動している団体で働きながら、東京2025デフリンピック応援アンバサダーをしています。きこえない子どもたちが手話で学べるよう、アジアで学校をつくるお仕事もしています。
きこえなくなったけど、何も失っていない
わたしは小さいころ、病気でひどい熱が出て、そのあと耳がきこえなくなりました。お父さんやお母さんが話しかけても返事をしなくて、病院で調べたら、きこえていないことがわかったんです。
でも、わたしは「きこえなくなった」のではなくて、「ろう者になった」だけなんです。ろう者になって良かったことや新しく学べたこともいっぱいありました。聴力だけに注目して、「無くなってしまった」というような言い方はしたくないんです。
ちがいに気づいて悩んだこと
小学生のときは、きこえないことをあまり気にしていませんでした。でも中学生になって、少しずつ辛くなってきました。クラスで先生の話がよくわからなかったり、みんなといっしょに話すことができなかったりしたからです。「できない人」って見られている気がして、きこえないことは隠した方がいいって思うようになりました。補聴器も髪の毛で隠していたんです。


アメリカで見つけた「楽しい」

中学3年生のとき、明るくてかっこいい、ろう者の先生に出会いました。わたしと同じろう者でしたが、めちゃくちゃ明るくて、きこえないことをまったく隠していないんです。
わたしはその先生から教えてもらった、アメリカのろう者のための大学に入りました。その大学ではみんな手話ができて、どこでもだれとでも自由に話せます。先生の話だけでなく、となりの人のつぶやきも手話でわかります。今までにない情報量の多さにびっくりしましたし、みんなと話し合いもできて、「学ぶって楽しい!」って思えました。
学校をつくりたい
わたしは、アジアのろうの子どもたちのために、手話で学べる学校をつくる仕事をしています。これまでに、ベトナムやラオス、フィリピンに学校ができました。
でもまだまだ足りません。そのためには手話で教えられる先生を育てることや、その先生のための教科書をつくることも必要です。みんながちゃんと学べる環境をつくれるように、一つずつクリアしていきながらがんばっていきます!


みんなへのメッセージ
デフリンピックでは、世界中からすごい選手たちが東京に集まります。音に頼らずにいろいろな工夫がされた環境で、全力で戦うすがたを観ることができます。
ろう者に限らず障害者はどうしてもかわいそう、大変そうって見られてしまいますが、それをスポーツの力、デフリンピックの力で「そうではないんだぞ!」と示したいですね!
もし会場でわたしを見つけたら、ぜひ声をかけてくださいね。東京2025デフリンピックで待ってます!