テニスとの出会い
わたしがテニスを始めたのは、6さいのときです。母がテニスをしていたことがきっかけでした。最初はあまり上手じゃなかったけれど、「左利き」をいかせるのはテニスかも!と思って、一緒に習っていた水泳ではなくテニスを選びました。
プレースタイルは、とにかくどんなボールでもあきらめずにしつこく返すこと!打つタイミングを見のがさずに、チャンスがきたら思いきり打つタイプです。

試合で大切にしていること

試合では、「冷静に、冷静に」と自分に言い聞かせています。緊張しやすいので、心を落ち着けるのが大事なんです。
どんなに強いボールを打たれても、「とにかく返せば何かが起こる」と信じています。ネットに当たってラッキーになることもあるし、だから最後まであきらめません。
シングルスでは自分のペースで戦えるのが楽しいし、ダブルスではペアと力を合わせるのがうれしい。どちらも、うまくいったときの楽しさは最高です!
くじけそうになった日
高校3年のとき、コロナで全国大会が中止になり、やる気が下がったことがありました。でもそのとき、「もう少しがんばって結果を出したい」と強く思ったんです。
そのときにもし大会があって満足していたら、テニスをやめていたかもしれません。でもあの経験があったからこそ、今も続けていられるんです。
つらいときもずっと支えてくれた母やまわりの人たち、そしてテニスを大好きな気持ちが、わたしの原動力です。

世界に広がったチャンス

中学生のときに、偶然デフテニスの選手と出会いました。それが新しい世界への第一歩でした。
デフテニスは補聴器をつけずにプレーします。音がきこえない分、集中できます。でもダブルスでは声が出せないので、目で合図をおくります。ペアとの信頼がとても大事なんです。
2024年の全豪オープン・デフテニス部門ではシングルスで日本人初の優勝!ダブルスではオーストラリアの選手と組んで準優勝でした。夢みたいな時間でしたね。
東京2025デフリンピックへの思い
デフリンピックを知ったのは中学生のころ。出場することが目標になったのは、高校2年のときです。
来年は東京で大会が開かれます。有明テニスの森でプレーできるのが楽しみですし、家族や友達が応援に来てくれるのもわくわくします!
社会人になって初めての世界大会。今までより前に出て攻めるショットを増やして、最後まであきらめずにボールを追いかけます。あと優勝していないのは、デフリンピックだけなんです。絶対に勝ちたい!

走り続ければ夢はかなう

東京2025デフリンピックでは、わたしたちデフ選手がたくさん出場します。テニスだけでなく、柔道や陸上など、いろんな競技を見てほしいです。
わたしも、みんなに「デフスポーツってすごい!」と思ってもらえるように、全力で挑戦します。
どんなことでも、あきらめずに続ければ、きっと夢はかなうはず。わたしもこれからも走り続けます。だから、みんなも自分の夢に向かって、一緒にがんばろうね!