HERO for Kids:ヒーローずかん

2025.11.07

デフテニスの女王が目指す、あとひとつのタイトル

菰方こもかた 里菜りな選手|デフテニス

テニスとの出会であ

わたしがテニスを始めたのは、6さいのときです。母がテニスをしていたことがきっかけでした。最初はあまり上手じょうずじゃなかったけれど、「左利ひだりきき」をいかせるのはテニスかも!と思って、一緒に習っていた水泳すいえいではなくテニスをえらびました。

プレースタイルは、とにかくどんなボールでもあきらめずにしつこくかえすこと!打つタイミングを見のがさずに、チャンスがきたら思いきり打つタイプです。

ボールを打ち返す菰方選手の写真

試合しあいで大切にしていること

ダブルスのペアとタッチする菰方選手の写真

試合しあいでは、「冷静れいせいに、冷静れいせいに」と自分に言い聞かせています。緊張きんちょうしやすいので、心を落ち着けるのが大事なんです。

どんなに強いボールを打たれても、「とにかくかえせば何かが起こる」と信じています。ネットに当たってラッキーになることもあるし、だから最後まであきらめません。

シングルスでは自分のペースで戦えるのが楽しいし、ダブルスではペアと力を合わせるのがうれしい。どちらも、うまくいったときの楽しさは最高です!

くじけそうになった日

高校3年のとき、コロナで全国大会ぜんこくたいかい中止ちゅうしになり、やる気が下がったことがありました。でもそのとき、「もう少しがんばって結果けっかを出したい」と強く思ったんです。

そのときにもし大会があって満足していたら、テニスをやめていたかもしれません。でもあの経験けいけんがあったからこそ、今も続けていられるんです。

つらいときもずっとささえてくれた母やまわりの人たち、そしてテニスを大好きな気持ちが、わたしの原動力げんどうりょくです。

インタビューに応える菰方選手の写真

世界に広がったチャンス

補聴器をつけずに試合をする菰方選手の写真

中学生のときに、偶然ぐうぜんデフテニスの選手と出会であいました。それが新しい世界への第一歩だいいっぽでした。

デフテニスは補聴器ほちょうきをつけずにプレーします。音がきこえない分、集中しゅうちゅうできます。でもダブルスでは声が出せないので、目で合図あいずをおくります。ペアとの信頼しんらいがとても大事なんです。

2024年の全豪ぜんごうオープン・デフテニス部門ではシングルスで日本人初の優勝ゆうしょう!ダブルスではオーストラリアの選手とんで準優勝じゅんゆうしょうでした。ゆめみたいな時間でしたね。

東京2025デフリンピックへの思い

デフリンピックを知ったのは中学生のころ。出場しゅつじょうすることが目標もくひょうになったのは、高校2年のときです。

来年は東京で大会が開かれます。有明ありあけテニスの森でプレーできるのが楽しみですし、家族や友達が応援おうえんに来てくれるのもわくわくします!

社会人になって初めての世界大会。今までより前に出てめるショットをやして、最後まであきらめずにボールを追いかけます。あと優勝ゆうしょうしていないのは、デフリンピックだけなんです。絶対ぜったいに勝ちたい!

ラケットを握り、遠くを見つめている菰方選手の写真

走り続ければゆめはかなう

こちらを向いて笑っている菰方選手の写真

東京2025デフリンピックでは、わたしたちデフ選手がたくさん出場しゅつじょうします。テニスだけでなく、柔道じゅうどう陸上りくじょうなど、いろんな競技きょうぎを見てほしいです。

わたしも、みんなに「デフスポーツってすごい!」と思ってもらえるように、全力で挑戦ちょうせんします。

どんなことでも、あきらめずに続ければ、きっとゆめはかなうはず。わたしもこれからも走り続けます。だから、みんなも自分のゆめに向かって、一緒いっしょにがんばろうね!