陸上を始めたきっかけ
こんにちは、三浦龍司です。陸上競技の3000m障害物という種目をしています。ぼくは小学生のころ、近くに陸上クラブがあって、親にもすすめられてそこに入ることにしました。最初は長距離やハードルをしていましたが、高校生になってからコーチに「向いているかもしれない」と言われ、3000m障害物を始めたんです。
もっと強くなるために!
3000m障害物という競技を知ったとき、ぼくは「なにそれ?」と思いました(笑)。 あまり目立たない種目ではあるので、正直、自分でもあまりピンと来なかったんです。
でも、そのときのぼくはすごく弱かったので、「全国レベルの人たちと戦えるチャンスがあるなら、やってみよう!」と、思い切ってチャレンジすることに決めました。
3000m障害物の魅力
この種目は、障害を28回跳び越えながら走ります。そのうちの7回は「水濠」という、ハードルの先に水たまりがある障害です。飛び越えるたびに水たまりにとびこむような障害で、疲れてくればくるほど超えるのがきつくなるんです。
この競技のおもしろさは、最後まで何が起こるかわからないこと。となりの選手とぶつかってバランスを崩すこともありますし、たった一回のミスで、1位だった人が一気に抜かれてしまうこともあるんです。だから、ラスト100mまで、だれが勝つかわからない。観ている人も、やっている人も、ドキドキ・ハラハラが止まらない種目なんです!
初めての大きな手ごたえ
ぼくには、小学生のころからいろいろな種目をやってきた中で、跳ぶ力や体の動かし方などが少しずつ身についていました。それを見たコーチが、「3000m障害物にピッタリかも・・・」「この種目なら才能が花開くかもしれない」と感じて、すすめてくれたんだと思います。
自分自身で成長できたなと感じられたのは、大学1年生のときに出たホクレンディスタンスチャレンジという大会です。大学に入ってこれまでにないレベルでの練習に取り組み、それを乗り越えられたことで、自分のベスト記録を大きく超える走りができたんです。そのとき、「世界と戦えるようになれるかもしれない」と思えるようになりました。
そして努力を続けた結果、東京2020オリンピックでは7位、そして2023年の世界陸上では6位になり、日本選手ではじめてこの種目で入賞することができました!
人としても成長できたこと
海外の大会に出るようになってから、「自分はどうなりたいか」という目標が、もっとはっきりしてきました。
日本ではタイムを大事にすることが多いけれど、海外では勝ち負けや順位をとても大切にしています。そんな中で、ぼくも一つのレースに対して「どうすれば勝てるか」を考えるようになりました。それにはもっと相手の動きやタイミングをよく見て、駆け引きをすることも大切なんだと学びました。
また、国際大会に出ることで、日本では普通と思っていた考え方が、世界ではちがっていることにも気がつきました。いろいろな国の人や文化にふれる中で、「自分の考えだけが正しいわけじゃない」と知ることができたんです。ぼくはこの経験を通して、選手としてだけでなく、人としても成長できたと思います。
世界陸上では・・・
いよいよ東京2025世界陸上が開催されます。地元での大会なので、いつも通りのコンディションで臨めるし、海外の選手よりもリラックスして出られるかもしれません。その分、しっかりと準備をして、自分の力を全部出せるようにしたいです。「これがぼくの全力だ!」と自分も満足のできるパフォーマンスを見せたいと思っています。
この一生に一度かもしれない大会で、メダルを取れるように精一杯がんばります!
みんなへのメッセージ
ぼくは3000m障害物という種目に出会って、自分を変えることができました。みんなも、何か新しいことに挑戦することで、自分の可能性を広げられるかもしれません。失敗を恐れず、前向きにチャレンジしてみてください!応援しています!