HERO for Kids:ヒーローずかん

2025.08.01

3000m障害物しょうがいぶつに出会って、ぼくの人生は変わった

三浦みうら 龍司りゅうじ選手陸上競技りくじょうきょうぎ 3000m障害物しょうがいぶつ

陸上りくじょうを始めたきっかけ

こんにちは、三浦みうら龍司りゅうじです。陸上競技りくじょうきょうぎの3000m障害物しょうがいぶつという種目をしています。ぼくは小学生のころ、近くに陸上りくじょうクラブがあって、親にもすすめられてそこに入ることにしました。最初は長距離ちょうきょりやハードルをしていましたが、高校生になってからコーチに「向いているかもしれない」と言われ、3000m障害物しょうがいぶつを始めたんです。

(写真:三浦みうら選手提供ていきょう

もっと強くなるために!

3000m障害物しょうがいぶつという競技きょうぎを知ったとき、ぼくは「なにそれ?」と思いました(笑)。
あまり目立たない種目ではあるので、正直、自分でもあまりピンと来なかったんです。

でも、そのときのぼくはすごく弱かったので、「全国レベルの人たちと戦えるチャンスがあるなら、やってみよう!」と、思い切ってチャレンジすることに決めました。

3000m障害物しょうがいぶつ魅力みりょく

この種目は、障害しょうがいを28回跳びえながら走ります。そのうちの7回は「水濠すいごう」という、ハードルの先に水たまりがある障害しょうがいです。えるたびに水たまりにとびこむような障害しょうがいで、疲れてくればくるほど超えるのがきつくなるんです。

この競技きょうぎのおもしろさは、最後まで何が起こるかわからないこと。となりの選手とぶつかってバランスをくずすこともありますし、たった一回のミスで、1位だった人が一気にかれてしまうこともあるんです。だから、ラスト100mまで、だれが勝つかわからない。ている人も、やっている人も、ドキドキ・ハラハラが止まらない種目なんです!

初めての大きな手ごたえ

ぼくには、小学生のころからいろいろな種目をやってきた中で、ぶ力や体の動かし方などが少しずつ身についていました。それを見たコーチが、「3000m障害物しょうがいぶつにピッタリかも・・・」「この種目なら才能さいのうが花開くかもしれない」と感じて、すすめてくれたんだと思います。

自分自身で成長できたなと感じられたのは、大学1年生のときに出たホクレンディスタンスチャレンジという大会です。大学に入ってこれまでにないレベルでの練習に取り組み、それを乗り越えられたことで、自分のベスト記録を大きくえる走りができたんです。そのとき、「世界と戦えるようになれるかもしれない」と思えるようになりました。

そして努力を続けた結果、東京2020オリンピックでは7位、そして2023年の世界陸上せかいりくじょうでは6位になり、日本選手ではじめてこの種目で入賞にゅうしょうすることができました!

人としても成長できたこと

海外の大会に出るようになってから、「自分はどうなりたいか」という目標が、もっとはっきりしてきました。
日本ではタイムを大事にすることが多いけれど、海外では勝ち負けや順位をとても大切にしています。そんな中で、ぼくも一つのレースに対して「どうすれば勝てるか」を考えるようになりました。それにはもっと相手の動きやタイミングをよく見て、きをすることも大切なんだと学びました。

また、国際大会こくさいたいかいに出ることで、日本では普通ふつうと思っていた考え方が、世界ではちがっていることにも気がつきました。いろいろな国の人や文化ぶんかにふれる中で、「自分の考えだけが正しいわけじゃない」と知ることができたんです。ぼくはこの経験けいけんを通して、選手としてだけでなく、人としても成長できたと思います。

世界陸上せかいりくじょうでは・・・

いよいよ東京2025世界陸上せかいりくじょう開催かいさいされます。地元での大会なので、いつも通りのコンディションでのぞめるし、海外の選手よりもリラックスして出られるかもしれません。その分、しっかりと準備をして、自分の力を全部出せるようにしたいです。「これがぼくの全力だ!」と自分も満足のできるパフォーマンスを見せたいと思っています。

この一生に一度かもしれない大会で、メダルを取れるように精一杯せいいっぱいがんばります!

みんなへのメッセージ

ぼくは3000m障害物しょうがいぶつという種目に出会って、自分を変えることができました。みんなも、何か新しいことに挑戦ちょうせんすることで、自分の可能性かのうせいを広げられるかもしれません。失敗をおそれず、前向きにチャレンジしてみてください!応援おうえんしています!