「ドラゴンボール」みたい
わたしが空手を始めたのは、4歳のとき。お兄ちゃんといっしょに道場を見に行って、「道着ってかっこいい!」と思ったのがきっかけです。アニメ『ドラゴンボール』が大好きで、「わたしもあんなふうに蹴ってみたい!」と、ワクワクしながら道場に入門しました。難しい技ができるようになると、すごくうれしくて! その気持ちは、今でも変わっていません。毎日の練習が楽しくて、がんばる力になっています。
自分で考える
小学校4年生のとき、世界で活躍する選手を育てる合宿に参加しました。そこには、耳がきこえる人たちもいて、みんなの練習に取り組む姿にびっくり!
ただ言われたとおりにやるんじゃなくて、自分で考えて、先生に質問して、一生懸命練習していました。わたしも「こんなふうになりたい!」と思って、それからは自分から考えて動くようになったんです。
やる気を再びくれた新しいチャレンジ!
高校までは「形」だけをやっていたけど、うまくいかなくなってしまって…。そんなとき、大学の先輩が「組手やってみない?」と誘ってくれました。
最初は「こわいし、痛そう…」と思っていたけど、やってみたら意外とおもしろかったんです。駆け引きがあって、スリルがあって、すっかりハマってしまいました。形の大切さも、組手のおかげでまたわかるようになりました。
大会で金メダル! でも、実感がない!?
2022年、ブラジルで行われたデフリンピックに初めて出場して、なんと形と組手の両方で金メダルを取りました。でも、正直実感はなかったんです。「えっ、わたしが世界一? 本当に!?」って。
日本に帰ってから、たくさんのお祝いメッセージをもらって、「ああ、わたし勝ったんだなぁ」って、少しずつうれしさがわいてきました。でも実は、世界一になったんだっていう実感は今もないんです(笑)。
東京2025へ。「試す場」として戦いたい
次はいよいよ東京2025デフリンピック。前回金メダルを取ったから、まわりから「今回も勝つでしょ」と思われているけど、正直プレッシャーもあります。
でも、コーチから「試合は今までの練習を“試す”場所だよ」と言われて、気持ちがすっと楽になりました。「うまくいかなくても、またやればいいんだ」と思えたんです。だから東京では、楽しく、のびのびと試合に臨みたいです。
みんなへのメッセージ
空手って、こわそうって思われがちだけど、本当はとっても楽しいスポーツです。小さい子でも、大人になっても、いつからでも始められます。
東京2025デフリンピックでは、空手を含めてたくさんのデフスポーツがあります。会場で見ると、パワーやスピードが伝わってくるので、ぜひ生で見てほしいです!
わたしも、また2つの種目で金メダルを取れるようにがんばります。少しでもみんなの心を動かせたらうれしいです!