知らない世界へ足を踏み入れたわたし
もともと山に登るのが趣味で、それを知っていた友だちが「オリエンテーリングっていう競技があるよ」と教えてくれたことが、競技を始めたきっかけです。
そのときは「へぇ〜、そんなのがあるんだ」くらいに思っていました。
でも、「全国大会があるよ!」と聞いて、「よし、チャレンジしてみよう!」と思ったのが始まりです。
初めての大会では、道のない山の中を走るのが大変で・・・けれど、泥だらけになって走っている選手たちを見て、「すごい! おもしろそう」と思ったんです。

人生初の「失格」

初めて出た大会では、運がよく結果を出すことができました。
でも、その次の大会では、チェックポイントを全部通れずに失格・・・。
今までやってきたスポーツではそんな経験が無かったので、初めての失格にとてもショックをうけました。
けれど、そのときに「どうして失敗したんだろう?」と考え、いろいろと研究してみたんです。
そして、経験をつむことが大事だと気づきました。
それからは、毎週のように大会に出るようになりました。失格をきっかけに、オリエンテーリングへの情熱が生まれたんです。
「心」「技」「体」すべてがためされるスポーツ
オリエンテーリングは、道のない山の中を、自分の判断で進んでいく競技です。
どんなルートになるかは本番までわかりません。
だからこそ、体の強さ(体力)も、地図をよむ力(技)も、そして、まちがえてもあきらめない心の強さも必要なんです。
しかも、この競技では自分でルートを選べるので、ときには険しい坂を登ったり、水の中を渡ったりすることもあります。
とても大変だけど、自分がイメージした通りに走りきれたときの達成感は最高!
それが、オリエンテーリングの一番の楽しさなんです。

めざせデフリンピック!

前は水泳をやっていたこともあり、デフリンピックの存在は知っていました。けれどオリエンテーリングに出会って、自分の趣味が生かせる競技があることを知って、自分の心に火がついたんです。
もっとたくさんの人にオリエンテーリングを知ってほしい。自分の力でゴールまで走りきる、その姿を見てもらって、オリエンテーリングの楽しさを感じてもらえたらうれしいです。
山の思い出も、みんなと分かちあいたい
わたしは山が大好きで、日本のいろいろな山に登っています。
その経験を、YouTubeの動画でみんなに発信していました。
むかし、きこえない人の登山者が山で亡くなってしまったことを知って、「何か自分にもできることはないかな?」と思ったんです。
それから、字幕つきの動画や、手話で説明する動画をつくって、たくさんの人にわかりやすく山の楽しさや大切さを伝える活動をしています。

「楽しかった!」と言ってもらえるように

日本で初めてのデフリンピック。海外の人たちに日本の美しい景色やすてきな場所を知ってもらえるチャンスだと思っています。
たくさんの人に「楽しかった!」と思ってもらえるように、全力でがんばります。
めざすは、もちろんメダル! わたしたちの走りを、ぜひ見ていてください!