HERO for Kids:ヒーローずかん

2025.11.07

失敗から生まれたやる気

つじ 悠佳ゆか選手|デフオリエンテーリング

知らない世界へ足をれたわたし

もともと山にのぼるのが趣味で、それを知っていた友だちが「オリエンテーリングっていう競技きょうぎがあるよ」と教えてくれたことが、競技を始めたきっかけです。
そのときは「へぇ〜、そんなのがあるんだ」くらいに思っていました。

でも、「全国大会があるよ!」と聞いて、「よし、チャレンジしてみよう!」と思ったのが始まりです。

初めての大会では、道のない山の中を走るのが大変で・・・けれど、どろだらけになって走っている選手たちを見て、「すごい! おもしろそう」と思ったんです。

インタビューに応える辻選手の写真

人生初の「失格」

インタビューに応える辻選手の写真

初めて出た大会では、運がよく結果を出すことができました。
でも、その次の大会では、チェックポイントを全部通れずに失格しっかく・・・。

今までやってきたスポーツではそんな経験が無かったので、初めての失格しっかくにとてもショックをうけました。
けれど、そのときに「どうして失敗したんだろう?」と考え、いろいろと研究してみたんです。

そして、経験けいけんをつむことが大事だと気づきました。
それからは、毎週まいしゅうのように大会に出るようになりました。失格をきっかけに、オリエンテーリングへの情熱が生まれたんです。

しん」「」「たい」すべてがためされるスポーツ

オリエンテーリングは、道のない山の中を、自分の判断はんだんで進んでいく競技きょうぎです。
どんなルートになるかは本番までわかりません。

だからこそ、体の強さ(体力)も、地図をよむちから(技)も、そして、まちがえてもあきらめない心の強さも必要なんです。

しかも、この競技きょうぎでは自分でルートを選べるので、ときには険しい坂をのぼったり、水の中をわたったりすることもあります。

とても大変だけど、自分がイメージした通りに走りきれたときの達成感たっせいかんは最高!
それが、オリエンテーリングの一番の楽しさなんです。

競技中に地図をよむ辻選手の写真

めざせデフリンピック!

遠くを見つめている辻選手の写真

前は水泳すいえいをやっていたこともあり、デフリンピックの存在そんざいは知っていました。けれどオリエンテーリングに出会って、自分の趣味が生かせる競技きょうぎがあることを知って、自分の心に火がついたんです。

もっとたくさんの人にオリエンテーリングを知ってほしい。自分の力でゴールまで走りきる、その姿を見てもらって、オリエンテーリングの楽しさを感じてもらえたらうれしいです。

山の思い出も、みんなと分かちあいたい

わたしは山が大好きで、日本のいろいろな山にのぼっています。
その経験けいけんを、YouTubeの動画でみんなに発信はっしんしていました。

むかし、きこえない人の登山者とざんしゃが山でくなってしまったことを知って、「何か自分にもできることはないかな?」と思ったんです。

それから、字幕じまくつきの動画や、手話しゅわで説明する動画をつくって、たくさんの人にわかりやすく山の楽しさや大切さを伝える活動をしています。

山に登る辻選手の写真

「楽しかった!」と言ってもらえるように

右手にボールを抱え、こちらを向いて笑っている辻選手の写真

日本で初めてのデフリンピック。海外の人たちに日本の美しい景色けしきやすてきな場所を知ってもらえるチャンスだと思っています。

たくさんの人に「楽しかった!」と思ってもらえるように、全力でがんばります。

めざすは、もちろんメダル! わたしたちの走りを、ぜひ見ていてください!